2014年9月10日水曜日

ランゴーリ

ランゴーリ(Rangoli)は、コーラム(Kolam)とも呼ばれる、

インドの家庭や、テンプルの入り口などに見られる綺麗な幾何学模様。

私の住んでいるアシュラム内にある、立派なダクシナームールティ・テンプルの入り口に、毎朝描かれる幾何学模様。

インド全国で見られますが、特に南インド、さらに特にはタミル・ナードゥ州でよく見られます。


伝統的には、既婚女性が、毎朝家の入り口を水で掃除して、

牛の糞(消毒作用がある)を薄く塗り、その上に、お米の粉でランゴリを描きます。



もちろん下書きも何もありません。

最初に点々をポチポチと等間隔に置きます。



そして一気に、一筆書きのように描いていくのです。

こんな複雑な幾何学模様が、何百種類も彼女達の頭の中にあるのです。

それが、サササっと、鮮やかに、見ている間に颯爽と速く描き出されるのです。

それはまさに、神業。




いちおう、基本的なパターンと言うものがありまして、

それをどんどん複雑化していくのですね。



こちらにいろいろ有ります。お楽しみあれ。


なぜ、毎朝ランゴーリ(コーラム)を家の前に描く習慣があるのか?

いろいろある諸説をまとめてみました。

  • ラクシュミー(富の女神)を呼び入れるため。


  • ランゴーリが描かれていない家には、ジェーシュター(ラクシュミーの姉)と呼ばれるで、貧乏神が家に入ってくるのだそう。


  • ランゴーリは、サンニャーシーなど、ビクシャー(食事をもらいに来る人達)に対しての、Weocome!のサイン。


  • 逆に、ランゴーリが描かれていない家には、ビクシャーをもらいに行けない。


  • 家庭内で、出産があった場合、家族が亡くなった場合などは、一定期間、ビクシャーを与える為の来客を拒まなければいけないので、ランゴーリは描かない。


  • ランゴーリに使う米粉は、アリさんたちの餌になる。これが、家庭人の毎日の義務である「パンチャ・マハー・ヤグニャ(5つの重大儀式)」のひとつ、「ブータ・ヤグニャ(動植物に対する義務)」を果たしている事になる。


などの諸説があります。

ランゴーリにディーパ(オイルランプ)を組み合わせて、素敵な夜の演出。





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