2015年1月1日木曜日

エーカーダシー


あけましておめでとうございます。

今日は2015年のお正月、

その上に、ヴァイクンタ・エーカーダシーという、南インドで一番大切な

エーカーダシーの日が重なっています。

さらに木曜日は先生(グル)の日、ラクシュミー(富を司る女神)の日。


エーカーダシーとは


月例カレンダーで、新月と満月の日を0として数え始め、

11月齢日目の日を、「エーカーダシー」と呼びます。

エーカーダシャは、サンスクリット語で数字の11という意味。

それの女性形がエーカーダシーです。

なぜ女性形かというと、月齢の日にちは「ティティ」と呼ばれ、

その言葉が女性形の言葉だからです。

女性形の言葉にかかる形容詞も女性形なので、「エーカーダシー」は女性形の言葉です。

第一月齢日、第二月齢日、と数えて、11日目が「エーカーダシー」です。

インドの伝統では、この日は穀物や野菜を食べずに軽いを断食しながら、

ジャパ(一定の時間や回数、短いマントラを唱え続けること)や、

ヴィシュヌに関するストートラムやシュローカをチャンティングしたり、

モウナム(沈黙をすること、または無駄口や噂話を止めること)をして過ごします。

グレースとは


自分の思い通りに事が進む時の、結果と原因のことを、「グレース」といいます。

この世の中で起こっている全ての現象は、あなたの感情も含めて、

全ては過去に原因があり、それが現れているのです。

その秩序のことを、「カルマの法則」と呼ぶのです。

宇宙の在り方に沿った行動(ダルマ)をすれば、

宇宙のあり方に沿った結果(調和、平和、快適、思い通り、豊かさ)を生む。

そんな結果を「グレース」と呼ぶのです。

サンスクリット語では「プンニャ」と呼びます。


エーカーダシーは、グレースを得る為の、祈りの行為のひとつとして、

インドで何千年も、始まりの無い時から続けられています。 


何事でも目標を達成するときには、グレースが必要です。

自分が出来ることはちゃんと自分で出来る限りの行動する。

そんな判断力や行動力などの器量もグレースです。

そして、何事にも必ず付いて回る、予測不可能な要因にも手を打つ行動として、

実に様々な形の祈りの行為が、インドの伝統では教えられています。


祈りとは


祈りとは、結果を生むための行為なので、

「何のために、どのような結果を望んで」祈るかを、はっきりする必要があります。

このことを「サンカルパ」といいます。

エーカーダシーも祈りですから、エーカーダシーをする時は、

「○○を達成出来る為のグレースを得る為にします」と、

きっちりとサンカルパを立てると効果的だといわれています。


Bhagavadgitaなどの文献を勉強するには多大なグレースが必要です。

全ての人々が「何か」を捜し求めて、人生の多大な労力と時間をかけて奔走を続けています。

日本のスピリチュアル界を眺めていると、立派な思考を重ねながら純真に、

人生で一番大切な「何か」を追い求めていますが、

その答を教える文献に出会える人は、世界中でもほんの一握りです。


全てはミラクル、全てはグレース


私がスワミジに会えたこと、人生を変えてもらったこと、

文献に触れることが出来たこと、さらにそれを正しく理解できたこと、

さらには、スワミジを始め伝統に関わる権威のある先生たちから、

その文献に携わり、教える地位を与えられたこと、

全てがミラクル、全てがグレースです。

エーカーダシーによって得られたグレースがここまで持ち上げてくれているんだ、

といつも思い出します。

もう8年以上も前に、マハーラシュトラやグジュラートのヴィシュヌ信仰の深い人々から

エーカーダシーを勧めてもらい、サポートしてもらいながら、一度も破らずに今日に至ります。

彼らへの感謝の思いは尽きません。

先生方、お世話になった方々へ、私の一生に与えられた全てを使い、

何千倍もの恩返しが出来ますように。





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