2015年4月3日金曜日

3.ヴァーナプラスタ・アーシュラマ(隠居生活の準備)

サンスクリット語による語源


「ヴァナ(वनम् [vanam])」とは森という意味のサンスクリット語です。
「プラスタ(प्रस्थ [prastha])」とは、そこに住んでいる人を指します。
併せて、家を出て森に住んでいる人、という意味になります。


森林に住む目的は?


森といっても、文字通りの森林である必要は無く、家庭と社会から距離を置くことの出来て、静かに独りの時間を楽しむことの出来る場所を指します。

自分の子供たちが自立出来るようになれば、家庭や家業の主導権は子供たちに譲ります。相談されない限りは口出しをせず、日々の忙しさから離れて暮らすことを学ぶのが、この期間です。

ジャパや瞑想、ヴェーダに関する文献の勉強をする時間を作るのが、引退して独りの時間を増やすことの目的です。

家庭から少し離れた独りで住める場所で、シンプルな生活を送りながら、物理的・経済的・心理的な依存を減らし、家族や社会のみならず、配偶者からも精神的な自立心を養うのがこのアーシュラマの目的です。

結婚の意味


歳をとってからの配偶者からの自立とは、少し冷たく聞こえるかもしれませんが、「成長の為に一緒に出来ることは全部やりきりましたね」と言えるようになることも良い事です。

結婚はゴールではなく、共に成長していく為のスタートです。一緒に苦楽を共にしながら独身でいては得られない成長を得られる、とても素晴らしい機会です。

宇宙の自然なあり方は、パートナーと共に生きて成長する、というように出来ています。結婚のゴールとは人間としての成長です。このゴールを見据えて結婚し、共に力を合わせて一緒にやるべきことをやり切るという姿勢も、健康的な姿勢と言えるでしょう。

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